Letter from CAIRC
2003.6 Vol.7 No.1

第6回「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」
研究奨学金給付者決定

教育、医療を含む幅広い分野の研究者や専門家の方々から多数の応募
応募総数40件、研究奨学金給付者5名を選出


人間とコンパニオンアニマルとの共生をテーマに数々の啓発活動を行う非営利団体「コンパニオンアニマル リサーチ」〔CAIRC〕では、98年度よりスタートした「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムの第6回給付者として、下記の5名を選出いたしました。それぞれの研究に奨学金50万円が給付されます。
選考委員は、太田光明麻布大学教授、森裕司東京大学教授、「コンパニオンアニマル リサーチ」会長の正田陽一東京大学名誉教授が務めました。


−研究テーマ 「ペットがもたらす社会的サポートの概念的・機能的再検討」
 
ちょう しゅくほう  
淑鳳 (名古屋大学大学院 教育発達科学研究科・博士課程学生・愛知県名古屋市 在住 )
   
−研究テーマ 「動物の心的能力に関する知識の獲得が動物観の変化に与える影響に関する検討」
 
たにうち とおる  
谷内 (金沢大学文学部人間学科・講師・石川県金沢市在住)
   
−研究テーマ 「『人間とコンパニオンアニマルの関係』に伴う認知情動機構の脳内表現: 磁気共鳴機能画像を用いた研究」
 
はなかわ たかし  
花川 (京都大学医学研究科附属 高次脳機能総合研究
センター・助手・京都府京都市在住)
   
−研究テーマ 「神経科学的アプローチによる犬のトレーニング法の確立」
 
おおたに のぶよ  
大谷 伸代 (高等応用動物研究所・研究員・大阪府大阪市在住)
   
−研究テーマ 「死別経験のある高齢者へのコンパニオンアニマルの影響」
 
たなか ゆうこ  
田中 優子 (愛知県立看護大学老年看護学・助手・愛知県西春日井郡在住)


6年目を迎え、日本で学問分野として着々と根付く「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」に様々なテーマが寄せられる

コンパニオンアニマル リサーチは「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」の発展やコンパニオンアニマルへの理解が深まっていくことを願い、人間とコンパニオンアニマルとの関係学のフィールドづくり、すぐれた若手研究者育成のためのサポートを行っています。その一環がこの「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムです。

今回の募集には、獣医学、動物学、医学、社会学、心理学、教育学、情報学、民俗学、人類学、看護学、生物学、地誌学など幅広い分野の研究生や現場に従事する方々からの応募がありました。研究内容も様々なテーマが取り上げられますます学問領域の広がりを感じさせるものとなりました。

選考委員長を務めた正田CAIRC会長は、「この学問分野が日本でも着実に根付いてきているのが応募された数多くの研究内容から読み取れ、大変うれしく思いました。特に今年は、心理学の分野でも、社会心理学、比較認知心理学、発達臨床心理学、コミュニティ心理学、等、更に拡がりを見せているのが特徴的でした。来年は3年に一度の『人と動物の関係に関する国際会議』がスコットランド・グラスゴーで行われます。日本でのこの学問分野の発展が、世界を舞台にますます認められていくことを期待しております」と感想を述べています。

「コンパニオンアニマル リサーチ」では、今後も「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムを継続し、この分野の学問が若手研究者による幅広い取り組みによって一層発展していくことを願っています。


■選考委員プロフィール
太田光明
麻布大学獣医学部動物人間関係学研究室教授
大阪府立大学農学部助教授を経て、99年より現職。動物の持つ「癒し効果」に注目し、研究を進めている。現在、「ヒトと動物の関係学会」事務局長、「高等応用動物研究所」最高責任者。著書に『イラストで見る犬学』、『大地震の被災動物を救うために』、監訳には『人はなぜ動物に癒されるか』などがある。
森裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科・獣医動物行動学研究室教授
東京大学助教授を経て、97年より現職。現在、「ヒトと動物の関係学会」副会長、獣医動物行動研究会代表発起人。著書に『イヌとネコの問題行動治療マニュアル』、監訳書にジェームス・サーペル編『犬 その進化、行動、人との関係』などがある
正田陽一
東京大学名誉教授・「コンパニオンアニマル リサーチ」会長
農学博士。東京大学教授などを経て、現在、東京動物園協会理事、山階鳥類研究所評議員。主な著書は『人間がつくった動物たち』など。
 
 
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