Letter from CAIRC
2004.6 Vol.8 No.1

「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」
教育、福祉の分野における"貢献"への関心深まる

第7回研究奨学金の給付者4名を選出

「コンパニオンアニマル リサーチ」は、第7回目を迎える「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムの給付者として、下記の4名を選出いたしました。それぞれの研究に奨学金50万円が給付され、一年後に研究成果が発表されます。

−研究テーマ 「企業労働者における、コンパニオンアニマル飼育が
うつ状態、および職業性ストレスに及ぼす効果について」
 
すずき きょうこ  
鈴木 恭子 (東京医科歯科大学大学院 保健衛生学研究科 健康教育学・博士課程学生)
   
−研究テーマ 「都市空間におけるポニーとのふれあいが地域にもたらす影響について
〜ポニー(動物)のいる公園の意義と役割を考える〜」
 
ふかの さとし  
深野 (社団法人東京乗馬倶楽部
ポニー事業部マネージャー、インストラクター)
   
−研究テーマ 「ペットオーナーの規範意識とペットによる迷惑行為の抑止との関連」
 
よしだ たくや  
吉田 琢哉 (名古屋大学大学院 教育発達科学研究科・博士課程前期学生)
   
−研究テーマ 「小学校における犬を用いた『動物介在教育』(Animal Assisted Education)の試み」
 
よしだ たろう  
吉田 太郎 (立教女学院小学校・宗教主任)

選考委員は、太田光明麻布大学教授、森裕司東京大学教授、「コンパニオンアニマル リサーチ」会長の正田陽一東京大学名誉教授が務めました。

研究領域の広がりに、手ごたえ

コンパニオンアニマル リサーチは「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」の発展やコンパニオンアニマルへの理解が深まっていくことを願い、人間とコンパニオンアニマルとの関係学のフィールドづくり、すぐれた若手研究者育成のためのサポートを行っています。その一環がこの「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムで、1998年以来毎年3〜5名の研究者に対して約50万円の奨学金を給付してきました。

今回の募集には、獣医学、法医学、教育学、社会心理学、福祉学、作業療法学、物理学、住生活管理学など幅広い分野の研究生や現場に従事する方々から30件の応募がありました。研究内容も様々なテーマが取り上げられ、年々学問領域の広がりを見せております。

選考委員長を務めた正田CAIRC会長は、「第7回を迎え、この学問分野が日本でも定着してきているのが応募された研究内容の深さから読み取れ、大変うれしく思いました。今年は、教育や福祉に関する研究が半数近くを占め、社会的にも関心の高いこれらの分野におけるコンパニオンアニマルの関わりや貢献が認知されてきていることが伺えました。今年10月には、3年に一度の『人と動物の関係に関する国際会議』が英国のグラスゴーにて開催されます。日本でのこの学問分野の発展が、世界を舞台にますます認められていくことを期待しております」と感想を述べています。
「コンパニオンアニマル リサーチ」では、今後も「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムを継続し、この分野の学問が若手研究者による幅広い取り組みによって一層発展していくことを願っています。


■選考委員プロフィール
太田光明
麻布大学獣医学部動物人間関係学研究室教授
大阪府立大学農学部助教授を経て、99年より現職。動物の持つ「癒し効果」に注目し、研究を進めている。現在、「ヒトと動物の関係学会」事務局長、「高等応用動物研究所」最高責任者。著書に『イラストで見る犬学』、『大地震の被災動物を救うために』、監訳には『人はなぜ動物に癒されるか』などがある。
森裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科・獣医動物行動学研究室教授
東京大学助教授を経て、97年より現職。現在、「ヒトと動物の関係学会」副会長、獣医動物行動研究会代表発起人。著書に『イヌとネコの問題行動治療マニュアル』、監訳書にジェームス・サーペル編『犬 その進化、行動、人との関係』などがある。
正田陽一
東京大学名誉教授・「コンパニオンアニマル リサーチ」会長
農学博士。東京大学教授などを経て、現在、東京動物園協会理事、山階鳥類研究所評議員。主な著書は『人間がつくった動物たち』など。
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