Letter from CAIRC
2006.7 Vol.10 No.2

第9回 「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」
研究奨学金給付者決定

人間とコンパニオンアニマルとの共生をテーマに数々の啓発活動を行う非営利団体コンパニオンアニマル リサーチ〔会長:正田陽一 東京大学名誉教授、住所:東京都渋谷区、略称:CAIRC〕では1998年度より「人間とコンパニオンアニマルとの関係学」研究奨学金プログラムを行っております。第9回目を迎えた今回は30件の応募の中から下記の研究が選出されました。選考委員は太田光明麻布大学教授、森裕司東京大学教授、「コンパニオンアニマル リサーチ」会長の正田陽一東京大学名誉教授が務めました。

−研究テーマ 「戸建住宅における空間構成がペットと飼育者とのコミュニケーションに与える影響」
 
おくだ しの  
奥田 紫乃 (同志社女子大学 生活科学部 人間生活学科・専任講師)
   
−研究テーマ 「中高年の心身に与える動物の予防医学的効果に関する研究」
 
ながさわ みほ  
永澤 美保 (麻布大学大学院 獣医学研究科 動物応用科学専攻・博士課程学生)
   
−研究テーマ 「遺伝的多型情報を基盤とした盲導犬育成率向上に関する研究」
 
あらた さやか  
荒田 明香 (東京大学大学院 農学生命科学研究科 獣医学専攻・博士課程学生)

選出の理由について選考委員は「戸建住宅のペット事情に関する研究は日本ではまだ少なく、奥田さんの研究が住環境面での人と動物の共生における新たなアプローチとなることを期待します。」(正田CAIRC会長)、「高齢化社会で予防医学の重要性が注目されているなか、人と犬との“愛着関係”という視点を導入して健康との関連を実証するという永澤さんのアイデアは斬新。方法論として生理学的な指標も用いており、成果に期待しています。」(森先生)、「盲導犬に関してこれまで気質の評価がはっきりしていないことも多かっただけに、行動実験や遺伝子多型など複合的に研究する荒田さんの取り組みが新たな指針を生み出すことを期待します。盲導犬育成率の向上は長年の願いでもあり、結果が楽しみです。」(太田先生)と述べました。

選考委員長を務めた正田CAIRC会長は「人とコンパニオンアニマルとの関係学の更なる広がりを感じました。来年2007年10月には3年に一度の『人と動物の関係に関する国際会議』が東京で開催されることが決定しており、日本でこの学問分野がますます発展することを期待しています」と述べています。



■選考委員プロフィール
太田光明
麻布大学獣医学部動物人間関係学研究室教授
大阪府立大学農学部助教授を経て、99年より現職。動物の持つ「癒し効果」に注目し、研究を進めている。現在、「ヒトと動物の関係学会」会長、「高等応用動物研究所」最高責任者。著書に『イラストで見る犬学』、『イラストで見る猫学』、『大地震の被災動物を救うために』、監訳には『人はなぜ動物に癒されるか』などがある。
森裕司
東京大学大学院農学生命科学研究科・獣医動物行動学研究室教授
東京大学助教授を経て、97年より現職。現在、「ヒトと動物の関係学会」副会長、日本獣医学会常任理事など。著書に『イヌとネコの問題行動治療マニュアル』、監訳書にジェームス・サーペル編『犬 その進化、行動、人との関係』などがある。
正田陽一
東京大学名誉教授・「コンパニオンアニマル リサーチ」会長
農学博士。東京大学教授を経て、現在、(財)東京動物園協会顧問、山階鳥類研究所評議員。主な著書は『人間がつくった動物たち』など。
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